種のお話
GWはみなさまいかがお過ごしですか?
先日羽村のオーガニックショップBootさんにお買い物に行くと「種が入荷しました」と声をかけて頂きいくつか購入しました。
こちらで売っているものは全て在来種の種なので安心ですね!
初めてそばの種を買いました。そばが打てるくらい育てられるかはわかりませんが、夏の終わりにそば打ち会ができたら楽しいかなと妄想をしながらそばの種を買いました(笑)。
GWを利用して家庭菜園で種を蒔く方もいるかと思います。
今の種の現状は大きく分けると2つに別れます。
野菜の種は、「固定種(在来種)」と「F1種」に大別されます。
固定種とは、いわば「普通の野菜の種」。一番よくできた野菜を選んで種を採り、その種を蒔いて育てた中からまた一番よいものを選んで種を採り、といったことを何代も繰り返して品種改良したものです。長い時間をかけて気候や風土に適応し、その土地にしっかり根づいたものですから、肥料や農薬に頼りすぎずに栽培ができますし、種を採って毎年再生産しつづけられます。昭和30年代頃までは、ほとんどの野菜が固定種でした。
現在の市場で全盛を誇るのは「F1種」。人為的につくられた一代限りの雑種です。別系統の野菜を掛け合わせると、一代目のときだけに現れる雑種強勢によって、野菜の成長が早くなり収穫量も増大。さらに雑種の一代目は両親の優性形質だけが現れるため、形や大きさも揃う。そんな性質を持った、大量生産・大量消費にうってつけの種です。しかし、このF1種が人間の意図した通りの性質を持つのは一代限り。そもそも二代目以降が作られることを想定していません。
そのため、農家は毎年、種を買わなければなりませんが、高齢化で人手の少ない農家にとって、仕事を減らし収入を増やす意味で、またとない種になったのです。確かに市場経済の観点で言えば、効率よく大量に作れるF1種の野菜は文句なしの優等生かもしれません。
F1種の便利さだけに流されていったら、本当の野菜が途絶えてしまうのではないか。そんな危機感を抱き、固定種の種を次世代へつないでいこうとしている人たちもいます。「いまや世界中の人々が、子孫を残せなくなった野菜を食べています。それは自然界から見れば不自然なこと。F1の種しか残らなくなってしまってからでは、もう後戻りできない。だから自家採種できる固定種を売っているんです」と語るのは、野口勲さん。
埼玉県飯能市で、自家採種できる固定種を400~500種も扱う種屋さんです。種は長期保存できません。誰かが毎年育てて採種し続けないと、この世から消えてしまいます。その意味で、野口さんが期待するのは、自分で育てて種を採ることのできる家庭菜園愛好家の存在。みんなで育てて自分で種を採っていけば、それが最高のシードバンクになるだろうという発想です。
野口さんの種のお話はこちらに詳しく載っています。
http://www.eco-online.org/2012/01/12/タネが危ない理由/